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本多勝一さんから学ぶ  日本語の作文技術 # 1-1

どうも、kyonです。

この前、長文の研究レポートを教授に渡した際、「kyonくんはプログラミング能力はあるけど、日本語力はいまいちやなぁ」と言われました。

また、普段友達とゲームなどをしながら通話を繋いでる僕は、通話中に友人からことあるごとに「こいつ(kyon)は義務教育で国語と道徳と学活を学んでない」と馬鹿にされます。

いいだろう。じゃあ勉強してやろう

ということで、研究室の先生おすすめの本「日本語の作文技術 :著 本多勝一」を読みました。

今回はその本を自身で読み、解釈した内容を話したいと思います。

#1 修飾語の順番

どんな文章なら良い文章と言えるのだろうか? まず言えることは、「良い文章とは誤解しにくく違和感のない文章である」ということであると思う。そのためには「修飾語の順番」が大事である。この「修飾語の順番」については、「1つの名詞に複数の形容詞(修飾語)がかかっている場合」、「文章を構成するパーツ(SVOのようなもの)の場合」の2つの場合でコツがある。今回はその中の1つ「1つの名詞に複数の形容詞(修飾語)がかかっている場合」について説明する。

1つの名詞に複数の形容詞がかかっている場合

1つの名詞に複数の形容詞がかかっている場合、閉じられていない文を先に書く方が良い。例として、「メガネをかけ、ピンク色の服を全身に着ている、自転車を漕いでいる、おばちゃん」を人に説明する際には、「自転車を漕いでいる全身ピンク色の服を着たメガネのおばちゃん」といった文が良い

ここで例を見てみよう。題材には、ちょうどこの文書を書いている途中に窓から外が見えるので、その光景(状況)を使いたいと思う。

「窓の外を見る。そこには、全身ピンク色、自転車を漕ぐ、メガネをかけた、おばちゃんがいた。」

全身ピンク色という点に関しては、驚愕したかもしれないが本当なので突っ込まないで頂きたい。

この状況を人に説明する際の1つに次のような文を作ることができる

「窓の外を見ると、自転車を漕ぐ全身ピンク色でメガネのおばちゃんがいた。」

この文の主語は「自転車を漕ぐ全身ピンク色でメガネのおばちゃん」である。 そのため、「おばちゃん」を除いた「全身ピンク色で」・「自転車を漕ぐ」・「メガネの」は全て形容詞になる(よね?)。では次に、この形容詞の順番を「誤解しやすいように」入れ替えてみる。

形容詞の順番を「誤解しやすいように」入れ替える

1.「メガネの自転車を漕ぐ全身ピンク色のおばちゃん」 2.「全身ピンク色のメガネの自転車を漕ぐおばちゃん」

本当はこれ以外にもあるけど、とりあえず2つ例を挙げました。1.でおかしい点は「メガネの自転車を漕ぐ」で、読み手は「メガネの自転車とは?」ってなる。2.でおかしい点は、全身とは書かれているが「ピンク色のメガネ」と誤読してしまう。「普通こんな間違いしないよね?」とは思いつつも、自身の論文とか報告書を見返すと誤読してしまう文はよくある(時間ギリギリで書くから悪い)。

このように、誤読が生じたり・違和感のある文ではなくスッと頭に入る文章を書くためには、形容詞を、「開いているか」・「閉じているか」の2つに分けて考える必要がある。突然「開いている」・「「閉じている」という馴染みのない事が出てきたが、これからそれについて説明をするからこのまま読み進めてくれ。では、「開いている」・「閉じている」形容詞に関して、例文の「全身ピンク色で」・「自転車を漕ぐ」・「メガネの」を使って解説をする。

「開いている形容詞」と「閉じている形容詞」

「全身ピンク色で」・「メガネの」は開いている形容詞である。どういうことかは、読み手がこの2つの形容詞を見たとき、「次に続く何かがある」と思うはずだ。「全身ピンク色の」何か、「メガネの」誰か、があると思う。次に続く何かが想像できる形容詞は「開いている形容詞」と思ってほしい(学術的になんと言うかは知らないが)。

「閉じている」は閉じられた形容詞とである。先ほどの「開いている形容詞」は次に何かがあると思うが、こちらの「自転車を漕ぐ」は先ほどのものと比べると、次に何かが続くとは思わないだろう。

では、いま分けた「開いている形容詞」と「閉じている形容詞」はどのように使用すればいいのだろうか? それを次に説明する。

わかりやすい形容詞の並び方

最初に書いた文の主語「自転車を漕ぐ全身ピンク色でメガネのおばちゃん」は、他の文と比べると誤読が少なく、読みやすい文である。この文は、「先に閉じられた形容詞を書き、次に開いている形容詞を書く」を行なっているためである。悪い文章という意味で挙げた2つの文

1.「メガネの自転車を漕ぐ全身ピンク色のおばちゃん」 2.「全身ピンク色のメガネの自転車を漕ぐおばちゃん」

こちらは開いている形容詞を先に書いてしまったせいでわかりにくくなっている。

わかりやすい文を書くためには、「自転車を漕ぐ全身ピンク色でメガネのおばちゃん」のように、「先に閉じられた形容詞を書き、次に開いている形容詞を書く」ということを心に入れて欲しい。

今回のまとめ

  • 良い文章とは、「誤読(筆者の考えではない誤った意味で捉えてしまう)や、違和感のない、文章である」
  • 良い文章を書くにはいくつかコツがあり、今回は「1つの名詞に複数の形容詞がかかっている場合」について解説した。
  • 1つの名詞に複数の形容詞がかかっている場合、形容詞を「開いているか」・「閉じているか」で分け、「閉じている形容詞」を先に書くことが大事である。